この家には二人の祖父がいる。この家に一緒に住んでいるわけではないが、それほど遠くない場所に住んでいる。
ところで、この二人のじいさんは、いづれもこの家の家族に劣らぬ変人なのであった。
片方のじいさんについては以前もここに書いたような気がする。そう、「おれはあと一週間で死ぬんだ。」と言って祖母に己の通帳やら
印鑑を渡しておきながら、一週間経ってもご飯をおかわりなどして旨そうに食っていたあの元校長のじいさんである。因みにこれは、この家の母親の父親である。
もう片方のじいさんについては、まだ述べていなかったろう。これは、この家の父親の父親であるが、このじいさんは、現在95歳にして今だ痴呆症にもかからず、老いては子に従えという諺に反して老いても子を下僕のように従わせているじいさんである。以前は国語の教師であったらしい。部屋には本がずらりと並んでいると聞く。
我輩は直接お目にかかったことはないが、この家族の会話から推測できる範囲で二人のじいさんの異同を
比較してみようか。
まず、根本的な政治思想というものが全くの逆である。この前、一緒にご飯を食べたという長女が言っていたのであるが、元校長のじいさんは、
「小泉の政治はひどい。ああいうやつは暗殺しなきゃいかん。」
と、
レストランに向かう車の中で言ったらしい。それを聞いたそのばあさんは、
「そんなこと言うものじゃない!」
と、お怒りになったらしい。
また、聞くところによると、このじいさんの家に
ゴールデンウィークに行くと、決まって憲法9条の話が出てきて、じいさんが戦争放棄やら平和主義やらについて一人で語りだすらしい。なぜなら、5月3日は憲法記念日だからである。
語っているじいさんに向かって、ばあさんは、「そう、そんなに言うなら、自分が総理大臣になったらいいのに。」と、軽い厭味を与える。
馬鹿にされたじいさんであるが、何故か、満足そうな表情をしていたらしい。どうやら、ばあさんの趣意を誤解して、「あなたが総理大臣だったらどんなに世の中は良くなることだろうか」、という意味にでも取ったのであろう、、、、。
少々、元校長のじいさんの方の叙述が長くなってしまった。次に95歳のじいさんの方について述べたいところであるが、それは、また次回にしよう。我輩はこれから出かけねばならないのであるから、、、、、。 (続く)