「田原さんは、大変な愛妻家なんですよね?」
爆笑問題という漫才コンビの背の高い方が田原氏にたずねる。
「恐妻家だよ、恐妻家。」
と、田原氏が答える。これを聞いたこの家の父親であるトウヘンボクは、「そうそう、おれと一緒だ!」と、うれしそうに言う。
「でも、奥さんがなくなられたとき、自分も自殺しようと思ったんですよね?」
と、爆笑問題の背の高い方が聞き返す。
「ああ、死のうと思ったけど、娘に止められたんだよ。」
と、田原氏。
「そりゃそうでしょう。」
と、爆笑問題の背の高い方が言う。トウヘンボクは今度は口をきっと結んだままでいる。我輩の勝手な推測であるが、トウヘンボクは、自分が死のうと思ってもこの家の家族の中に止めてくれるものがいるのか、無性に不安になったものと思われる。
「私はね、もう、妻が死んでからは、健康診断も何も受けていないんですよ。」
と、田原氏。
田原氏が「恐妻家だよ。」といった時に、安易に賛同してしまったトウヘンボクは、ここにおいて、氏が恐妻家ではなかったことに気付いたようである。「なんだ、相当な愛妻家だな。」と呟き、がっかりしている。
すると、後ろのほうから、
「あらまあ、健康診断は受けなきゃねえ。田原総一郎がいないと、日本のジャーナリズムはぼろぼろじゃないの。」
と、この家の母親が遠くから大声で言う。
「おれも、今度の健康診断を受けないとな。」
と、トウヘンボク。すると、この家の母親は、
「あんたは、いつぽっくりおさらばしてもいいようにちゃんと保険に入ってるから大丈夫だよ!」
と、叫んだ。
ひでえ会話である。我輩も飼い犬のジョン氏もよく今までこんな家に住み続けられたものである、、、。

