では、最近のこの家の状況を書いてみよう。
先週の土曜、深夜になってもテレビがついていたので行ってみたら、父親たるトウヘンボクと、この家の長女と、大学生の次男が画面を見つめながらソファに座っていた。
何を見ているのか、と思ったら、変な討論番組であった。司会は田原総一郎というジャーナリストで、その両側にざっと国会議員や学者が座っていた。
こんな夜中に、があがあと騒いでいる人間らがいるとは、我輩にとってはやや驚きであった。
もっと驚いたのは、司会者が最もがあがあ騒いでいることであった。司会者というのは、議論の進行を円滑にする役割を果たすもの、と我輩は思っていたので、やや斬新であった。
話している内容は、政治に関することだった。参加者の発言に対して、トウヘンボクがしきりに「そうじゃない、そうじゃない。」とぶつぶつ言っている。そして、この家の長女から「うるさいんだけど。」と文句を言われている。
そんなに面白いのかと思って、我輩も一緒になって見ることにした。
しばらく見ていたが、先ほどの繰り返しになるが、やたらと司会者がしゃべる。どうやら、新しく総理の座についた安部晋三氏のことを言い合っているようであった。
「安部さんは、改革者として行動しなければならない。でも、小泉総理の改革を引き継がなければならない。これは、ある意味、矛盾しているんです。」
こんなようなことを、村田晃嗣というちょび髭を生やした同志社大の教授が言っている。我輩としては、なるほど、と思いつつも、だから何なの? という感じでもあった。
一般的に学者の発言は、なるほど、と思わせるが、だから何なのだろう?という類が多い。
第一、なぜ、ちょび髭を生やしているのであろうか。我輩としては、安部氏の思想信条についてより、むしろ、氏の美的感覚について、田原氏に糾問してほしいところであった。
毛を立派に手入れしていいのは、わが猫族だけである。なぜというに、わが猫族は、日々、己の毛を美しく保つために、己の毛をペロペロなめている。己の毛をペロペロ舐めるほどの愛情を注いでこそ、毛を生やす資格があるのである。
村田氏は、己の毛に対してわが猫族ほどの愛情をお持ちだろうか? どうせ鏡の前で己の髭を、ハサミか何かで整えるくらいが関の山だろう。それだけでは、毛に対する愛情があるとは言えない、、、。 (続く)

