「おれはずっと大学を卒業してから教師をしてきましたが、非常に充実していました。ここまでよくやったものだと感じています。今はジムでエアロビを習っています。健康のためにであります。」
この厳めしい体格の叔父公が、ハイカラなリズムに乗って手足をバタつかせながらぴょんぴょんと跳ねているところを創造した我輩は、思わず、ぷっと思ったものである。
「エアロビといっても、恥ずかしいことなんて何もないんです。周囲は年寄りばかりですが、中には、恥ずかしいからやらないなりたくないなんて言っている人もいます。でも、おれはそういう人には、恥ずかしいことなんて何にもねえんだよ、あなたのところなんて誰も見てないよ、恥ずかしいと思うからは恥ずかしいんであって、普通にやってれば何にも恥ずかしいことはないんだよ、と言ってやるんですよ。」
叔父公は続ける。最初の元校長の爺のあいさつよりは、具体的な経験であって面白い話である。
「おれは、ずっと教師をやってきて今思うのは、若い人、今ここにもたくさんいますが、若い人には早く定職について働いてもらいたいと思います。今はフリーターとかニートなんて言葉がありますが、やっぱり働いてきて、今勤めを終えて、振り返ってみると非常に充実した気分であります。」
叔父公は続けた。我輩は、今の叔父公の言葉は、いまだ定職にもつかずにふらふらしているこの家の長男にとっては、さぞ居心地の悪い一言であろうと思い、ふらふら長男の方を見たら、ふらふらは叔父公の言葉を聞くと、眉毛を上下に動かしたり、鼻の穴を拡大させたりして密かにふざけ出した。
因みに、我輩の驚いたことには、この親族の中の子ども世代の中で、定職に付くべき年齢に達しながら未だ働いていないのは、5人中4人だったらしい。すなわち、この叔父公の話は、ふらふら長男のみならず、ふらふらしている他の者にも向けられていたというところであった。 (続く)

