2005年12月22日

コタツという戦場

 最近寒くなってきたこともあり、この前我輩の住むこの家でも、コタツという熱空間を製造する器具が配備された。

 コタツが配備されてからというもの、これをめぐる争いは一層激化している。我輩とて寒いのは苦手であるから、当然この争いに参戦せねばならぬのであるが、中々思うようにいかない。

 日中は、まだましなのである。何故と云うに、コタツをめぐる争いは我輩とぐうたら母親の二当事者間のみで行われるからだ。無論、コタツの中におけるぐうたら母親の大根足は中々手強い。少し油断をすれば、その丸太のように太く硬い大根足は、我輩の存在を全く無視してコタツの中を右往左往し我輩に危害を加えるのである。

 夜になると、ぐうたら母親の大根足のみならず、父親の大根足二本、長女の大根足二本、長男の大根足二本、次男の大根足二本、三男の大根足二本、次女の大根足二本が加わり、我輩は計14本の大根足と格闘せねばならぬ。これらの大根足が我輩の周囲を無秩序に動き回るという恐ろしさは、人間には分かるまい。我輩にとっては、死闘でさえある。避けて通れない死闘である。犬族ならば体脂肪率によりある程度は寒気に耐えられようが、我が猫族は、図体も小さいからそうはいかないのである。

 
 そして、昨日も死闘は繰り広げられた。我輩の特に警戒する大根足は、大学卒業後もふらふらしている長男と中学生の次女の大根足である。

 この二人の大根足の動きは中々次の動きが読めず、不意打ちを食らうことも多い。中学生の次女は、唐突にコタツに入り込んでくるし、足だけでなく体丸ごと突っ込んでくるという恐ろしさなのである。ふらふら長男はサッカーというスポーツが好きなようで、迷惑千万なことに、コタツの中でもキックの練習をするという恐ろしさである。

 大学生の次男は、自分の部屋にいることが多いし、コタツのある部屋に来ても足をあまり入れず、壁にもたれながら本を読んでいることが多いので、あまり脅威にはならない。

 OL生活に励む長女も、自分の部屋にいることが多く、コタツに入っても大根足の行動はそれほど活発ではないから怖くない。そもそも我輩がコタツの中にいることに注意している。

 高校生の三男は、コタツに入るとすぐ寝る。次女と同様に体ごと入ってくるが、我輩がいないかどうか確かめながらゆっくりと体を入れてくるので、よろしい。が、寝相が悪いのが危険である。

 昨日の紛争の勃発の原因は、やはりぐうたら母親であった。

 「ちょっと、裕紀、もう少し足、そっちにやりな。」

 と、母親が言う。無論、三男坊は寝ているから気付かない。すると、母親は無理やり大根足をコタツの中に押し込んできた。すると、長男が、

 「痛っ、無理やり押し込んでくるんじゃねえ!」

 と、声を上げた。我輩は、またコタツ内のテリトリー争いが始まると思い、コタツの角へ避難した。母親は、長男の非難にも耳を貸さず、

 「どけろっ、どけろっ、どけろっ。」

 と、掛声を上げながら、自分の大根足をぐいぐいとコタツの中に突っ込んでくる。
 
 「お母さん!!」

 と、今度は次女が文句を言う。母親の大根足が次女の領域にも侵入してきたようである。

 「こっちまで伸ばさないで!」

 と、次女が怒る。そう言うと同時に、母親の大根足を自分の足でもって押し返そうとした。しかし、攻撃の対象がずれて、長男の足を蹴ってしまった。

 「痛っ、誰だ、今蹴ったのは!!」

 と、長男。そして、無慈悲にも、「お前か、お前か。」と言いながら近くの足を手当たり次第蹴り始める始末である。

 我輩は身の危険を感じて仕方なくコタツの外へ出た次第である。

 こうした戦場が冬中続くのである。気が重いのである、、、。   (終)
posted by 我輩 at 16:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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