2006年06月28日

怒る長男〜その2〜

 以前、サッカーW杯のオーストラリア対日本の試合で一人怒っていたこの家の長男であるが、クロアチア対日本の試合でも、一人怒っていた。

 試合が終った後、試合の解説者が、

 「これで、日本は次のブラジルとの試合で勝たなければならなくなりました。」

 と、いうようなことを言っていた。すると、この家の長女が、

 「あはは。ブラジルに勝つなんて無理だよ。」

 みたいなことを言う。我輩は、今にも暴れそうな長男を逆なでするようなこの長女の発言に、余計なことを言うなと思った。長男は、何も言わずテレビの画面を睨みつけている。何も言わぬのが、かえって突然爆発しそうで恐ろしい。すると、この家の長女が、

 「でも、これである意味、日本もブラジルと戦えるんだから、いいんじゃない。」

 と、また余計なことを言う。この家の母親も、

 「そうだね。ブラジルとW杯で戦うなんて、普通、決勝とか行かないと無理なんだし。」

 と、加わってくる。すると、長男が、

 「あ? 何言ってんだ?」

 と、今にも飛び掛りそうにして言う。

 「何って何?」

 と、長女。

 「今、これである意味、ブラジルと戦えてよかったって言ったじゃねえか。これでって何だよ! どういう意味だ、言ってみろ!」

 と、怒鳴る。

 「これで、何て言ったっけ?」

 と、長女。今しがた自分で言ったことをもう忘れている。それが、長男を余計苛立たせたのであろうか、

 「今、言っただろ! その、「これで」の「これ」って何を指してんだよ、言ってみろ!」

 と、叫ぶ。

 「これで? 別に何も指してないよ、馬鹿じゃないの。」

 と、長女。

 「「これ」と言うからには「これ」は何かを指してんだろ!」

 と、長男。

 「むかつく!」

 と、長女。

 「どうせ、「これ」って言うのは、日本が負けたことを指してたんだろ!」

 と、長男。そう言って、リモコンテーブルに叩き付けた。リモコンは、パッチーンと音を立てて、中から電池が飛び散り、カーテンの方に吹っ飛んでいった。

 これだから、我輩は、嫌なのである。人間には手のひらサイズでしかないリモコンでも、我輩には、意外とでかいのである。それが、高速で飛び散るのであるから、その危険性は言うまでもない。テポドンである。いや、テポドンは言いすぎであるが、バッドで殴られるくらいの衝撃はあろうかと思う。

 因みに、ブラジル対日本の試合は、この家の長男は見ないであろう、と我輩は思っていた。なぜなら、その試合は朝の4時くらいから行われるということであったから、いつも起きるのが遅い長男は、起きてこないであろうと思ったからである。

 が、四時ぴったりに起きてくるではないか。この家の父親と一緒になって、テレビを見ている次第である。この家の父親は、毎朝4時に起きるという変人であるから、驚きはしないとしても、この家の長男が起きているとは、思わなかった。

 試合は、ブラジルに何点も取られて、さぞ怒っているだろうと思ったが、そうでもなかった。あまりに点を取られすぎて、怒る気にもなれなかったのであろうか。
posted by 我輩 at 00:19| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月16日

怒る長男

 この前、この家のふらふら長男が、サッカーのW杯の日本対オーストラリアを見て、一人で怒っていた。

 サッカーしか能がない人間である。だからなのかもしれないが、オーストラリアに一点目を入れられた時から、機嫌が頗る悪い。

 「何で、あそこで小野を入れたんだ!?」

 と、何度も怒鳴り散らしていた。

 「あそこで大黒とか玉田とか入れるのが普通だろうが! 両サイドにスペースがあるんだからよ! オーストラリアにとって一番嫌なのは、元気のあるフォワードが入ってくることなんだよ!」

 みたいな、分けの分からぬことを、画面に向って喚きたてていた。丸めた新聞紙でテーブルをどかどか叩いて、非常にうるさかった。こういう人間こそ、近くにいて迷惑な人間というものであろう。

 「うるさい!」

 と、中学生の次女が、たまりかねて文句を言う。すると、

 「うるさいのは、お前だ!」

 と、また怒鳴る。が、うるさいのは、お前である、と我輩は言いたかった。

 「ジーコの馬鹿野郎!」

 と、長男。

 「ジーコだって必死にやってるんだから、馬鹿なんて言うものではない。」

 と、どこからかこの家の父親の声がする。周囲を見渡すと、部屋の隅っこのソファで横たわっていた。影の薄い人間である。声を出すまで同じ部屋ににるとは思わなかった。

 結局、日本は3対1で負けた。後半の残り10分で三点入れられ、逆転負けであった。

 その後、この家の長男が、壁やテーブルなどに対して、八つ当たりをしたことは、言うまでもない。

 

 
posted by 我輩 at 19:07| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月08日

不気味な次男

 昨日の夜、大学生の次男の寝ている部屋に忍び込んだ。

 すると、次男はうなされていた。我輩は、恐くなり、音を立てずに部屋を出た。

 最近の次男は、誰ともあまり口をきかない。ふらふら長男の冗談に、この家の他の者たちが笑っても、この次男は苛々したような顔をしている。何を考えているのだろうか、、、。

 
 
posted by 我輩 at 22:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月05日

愚かな犬

 我輩の住んでいる家には、ジョンと言う犬がいるが、最近気づいたのは、このジョンの耳の動きが、冷蔵庫の開く音に敏感に反応しているということである。

 昨日の夜も、中学三年になったこの家の次女が冷蔵庫を開けたとき、ジョン氏の垂れた耳がピンと真っ直ぐに伸びた。そして、頭をぬうと上げ、冷蔵庫の方を見据えていた。

 条件反射という言葉があるが、まさにそれである。我輩も食い物には敏感だが、あそこまでひどくはない。

 また、ジョン氏は、「散歩」という言葉を聞くと、きゃんきゃんと鳴いて居てもたってもいられないという状態となる。尻尾を振り回し、玄関の方へ突っ走り、飛び上がりながらドアをがりがりと引っ掻く。酷いざまである。

 このジョン氏の習性をもてあそんでいるのが、卒業後も定職に就かずふらふらしている長男である。ことあるごとに、

 「散歩! 散歩!」

 と、ジョン氏に向って言う。ジョン氏は、きゃんきゃんと喚き、玄関に向う。無論、ふらふら長男は、散歩に行くわけもなく、ただゲラゲラ笑っている。ジョン氏は、しばらく玄関で騒いでから、諦めて、とぼとぼと部屋に戻ってくる。

 何度もふらふら長男の同じ手に引っ掛かる。馬鹿ではあるまいか。何度このふらふら長男に騙されれば気が済むのであろう。幾度も幾度も長男に騙されるその光景に、我輩は驚き、呆れ、そして、今では、痛ましくさえ思う。

 
posted by 我輩 at 18:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月04日

 またこの家の父親と母親が口論をしている。

 「鼻水が出る。」

 と、この家の父親。顔面を見ると、鼻の両方の穴にティッシュが詰まっている。穴を塞いで、鼻水をせきとめようとしているのだろう。

 「お前が夜に窓をわざと開けておいたから、こうなったんだ。」

 と、この家の父親が、この家の母親に言う。どうやら、風邪を引いたのは、昨日の夜に、窓が開いていたかららしい。この家の母親は、

 「部屋の服のたんすの消臭の臭いが嫌なんだ。換気が必要なんだ。」

 と、文句を言う。

 「ほっとけ。」

 と、父親。クシャミをしながら言う。

 「玄米食べてるくせに、体が弱いこと。」

 と、この家の母親が嫌味を言う。この家の父親は、いつも玄米は体にいい、いい、と念仏のように繰り返しているのである。日本の一番の問題は、「食」の問題だ。玄米をみんなが食べれば、世界が平和になる。肉は体に良くない。魚も良くない。甘いものは駄目。牛乳もチーズも駄目。などと言い、食に関して小ざかしい干渉をしてくる。

 そのくせ、昨日の夜、テーブルの上に置いてあった団子の残りを密かに食ったのは、他ならぬ、普段甘いものを食べることを禁止しているこの家の父親である。我輩は、しかとこの目で、この家の父親が団子のくしから団子を食いちぎる光景を見た。
posted by 我輩 at 19:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする